2024年10月、「産土武芸道場」(師範:三橋源一先生)の忍道陰忍入門者である沼田陸矢さん、田中邦弘さん、西川幸治さんが陰忍二段の審査を受け、見事合格されました。
初段合格者が各道場から出てきている昨今、より難易度の高い二段へ昇段者が誕生したことを記念し、今回は合格された三名にいくつか質問を交え、お話を伺いました。
まずは今回初めてインタビューを受けていただいた西川さん(忍者名:如琥丸)への質問
問:なぜ「忍道」を始めようと思ったのですか?
(西川さん)昔から忍者は好きで、前は伊賀の忍者パフォーマンス集団「羅威堂」の殺陣教室に通ったりして楽しんでいました。
その後、三橋師範の産土武芸道場で、川上総師範が受け継いだ「忍道」を習うことができると知り、これは絶対受けなければ!と思い、入門しました。
(聞き手コメント)
なるほど、田中さんは以前のインタビューで国際忍者学会から忍道のことを知ったと伺っていた一方で、西川さんはまずは忍者の殺陣を経験してから忍道へ興味を持っていただいたのですね。
様々な体験やイベントを通して知っていただけて感激です・・・!
また、西川さんは忍者仲間からの誘いをきっかけに、修験道の修行にも参加されているとのこと。
忍者と修験道は密に関係してますので、どこまでも忍者一色なご活動ですね・・・!
以下の質問は、三名共に伺いました。
問:初段合格から2段審査まではどのくらい時間がかかりましたか?
また、その間の稽古はどうでしたか?
(田中さん)僕と沼田さんは同時期に初段を受けたので、だいたい2年くらいかかりました。もう2年か・・・という感じですね^^
九字印などはほぼ毎日ルーティーンのようにやっていました。やることによって心を落ち着けることが目的でしたが、やはり普段の稽古含めまだまだだなと思うことが多いです。
引き続きやり続けないとなって思います。
また、初段でやった手裏剣打ちは稽古に来るたびに練習しています。初段の時よりは腕が上がったかなと思っていますが、これも引き続き腕が落ちないよう練習していきます。
あとは初段からは山での稽古が増えて、楽しくて時間があっという間に過ぎますね。
それも相まって、もう2年たったのが信じられないです。
とても良い環境でお稽古できているなと感謝の念もあります。
(聞き手)手裏剣の自主練をされているなんて、素晴らしいです・・・!
産土武芸道場は山でのお稽古がしやすいですし、この道場だけで大体の項目が練習できることも魅力の一つですね。各々が課題を見つけてすぐに練習・実践できる環境というか・・・
(田中さん)そうですね、敷地内に手裏剣打ちができるスペースもありますし
(西川さん)僕は鉤縄が苦手だったので、山で自主練していました^^
(西川さん)僕はお二方の後に入門したので、1年半くらいかかりました。
二段のお稽古も少し遅れてのスタートだったのですが、わからない部分は先輩二人に教えていただきました。
(聞き手)先輩に教えてもらえるのは、心強いですね。
(西川さん)はい、捕縛術などはギリギリまで先輩とおさらいできましたし、先輩方がいなければ僕は合格していないと思います・・・(笑)
(沼田さん)僕も山稽古が増えたこともあり、大変ですが楽しいです。
昔から虫やカエルが苦手だったのですが、多少は慣れてきました(笑)
山には絶対いるものなので、しょうがないなと(笑)
(聞き手)確かに、お稽古中は気にしていられないですものね・・・そういう部分一つとっても、お稽古していくうちに動じない心が養われるのではないでしょうか。新しい発見です。
(沼田さん)はい、本当に少しずつですけどね。まだ虫は苦手です(笑)
問:今までの稽古で一番大変だと思ったこと、または悩んだことは?
(西川さん)火おこしのお稽古で、なかなか火が付かなかったことですね。
京都の道場(NINJA Dojo and STORE)にいる知り合いの入門者にもコツを教えてもらったりして何とか身につけられました。
あと、手裏剣はいくら練習していても、調子の悪い時がありましたので、そこは苦労しましたね。断食とかの方がよっぽど楽だと思いました(笑)
(田中さん)僕は鉤縄が上手く引っかからなかったり、思わぬアクシデントがあったりして、色んな状況になりえるなと思いました。
そういうところは経験して学ぶしかないし、精度に関してはまだまだ練習が足りないなと感じるばかりです。縄を結ぶ時なんかも、今まで散々結び方を練習しているのに、急に思い出せなくなる時もありますし。
(沼田さん)今の二人が行ったことも当てはまりますが、僕は体が硬いことが悩みどころでしたね。受け身も苦手でした。
お稽古を続けて、少しずつ柔らかくはなってきたとは思いますが、まだまだです。
(聞き手)ひたすら練習して精度を上げていく内容については、上手くいったかどうかで一喜一憂するのも稽古の醍醐味ですね。
他の試験などにも通じることだと思いますが、何が起こるかわからないからこそ、出来る限り備えておくのが大事ですね。
あらためて今回の合格は、お三方の日々の綿密なお稽古の賜物だと感じます・・・!
問:今後の目標は?
(沼田さん)僕は先ほども言ったように、引き続き体を柔らかくすることですね。
大した目標ではないのですが・・・(笑)
(聞き手)いえ、体が柔らかいと動きのバリエーションも豊富になりますし、怪我の防止にもなるので、とても良い目標だと思います!
(田中さん)僕は忍道で学んだことを日々の生活で活かしていくことですね。せっかく学んできたことは使わないともったいないですし、主に心を落ち着ける・コントロールする方法などは日常で実践して、きちんと目的通りに活かせているかどうかを確かめていきたいです。これはもう永遠の課題ですね。
(西川さん)僕は今修行している修験道と、忍道をあわせて深めていけたらと思います。また三橋師範が普段されている「忍道」と「防災」、「忍道」と「サバイバル」を組み合わせて子供たちに伝えていく活動もお手伝いできたらと思います。
(聞き手)素晴らしい展望をお聞かせいただきありがとうございます!
級・段が上がっていくにつれて、最初に行う基礎の稽古が、今後の山などでの実践に近い稽古で活きていることを感じると思いますので、ぜひとも目標をもって続けていただきたいです。
沼田さん、田中さん、西川さん、この度はご昇段おめでとうございます!
インタビューにご協力いただきありがとうございました!
【おまけ】
忍道では、本名とは別に「忍者名」を登録することができます。
合格者一覧ページや免状に記載する名前も、ご希望によっては忍者名で掲載することが可能です。
そこで、今回のインタビューでは特別コーナーとして、忍者名をお持ちの田中さんと西川さんに各々の忍者名の由来を聞いてみました。
問:皆様の忍者名の由来は?
(田中さん 忍者名:八尾顕幸)
僕は八尾出身ということもあって、河内を本拠とした楠木正成を忍者名にしていたのですが、それはおこがましいかなと思い(笑)、楠木正成の部下である八尾顕幸からとらせていただこうと考えました。
八尾顕幸は忍者ではないですが、恐らく楠木正成と同様に忍者と何らかの関係があるかもという思いを発信することもかねて決めました。
(西川さん 忍者名:如琥丸)
僕は保育園からずっと本名をもじった「じょこ」というあだ名で呼ばれていたので、それを忍者名に取り入れました。
漢字は別のものを使っていたのですが、忍者として活動していて凄く尊敬している方が「龍」の字を使っていたので、それに対して「虎」の字が入っている「琥」に変更しました。
(聞き手コメント)
おぉ・・!やはり皆さん様々な経緯と意味を込めて忍者名をつけていらっしゃいますね・・・!
実在の人物からとるのも、ご自身の名前からとるのも、どちらも素敵です。
今後も機会があれば他の入門者さんにも伺ってみたくなりました・・・!
お二人とも、ご協力いただきありがとうございました!